冷蔵庫との格闘



 数週間前から冷蔵庫が異音を発していました。

 ご存知の通り冷蔵庫というのは止まっている時と冷却している時があります。冷却し始めると普通はファンの回転する「ブーン」という音がするわけですが、それが「ヴィイイイイイイイイイン」というデカい音になっていたのです。

 ファンの回転に応じて音が発生していたことから、おそらくファンに何か異物が当たっているのだろうと考えました。
 始めはファンが冷凍室の裏側にあることからそれが氷の固まりだと推測し、半日ほど冷蔵庫の電源を抜いて氷を溶かそうとしました。ついでに冷凍室の霜の除去を行い、とどめにドライヤーの温風をファンの前にある通風孔に送り込んだ後電源を入れました。

 「ヴィイイイイイイイイイン」

 失敗でした。


 ここまで来たら後へは引けません。

 通風孔から観察した結果、確かにファンの回転数と異音の大きさは比例していました。
 私は冷凍室の仕切りを全て取り払い、後部パネルを取り外しました(こうやって書くと簡単そうですが、この工程に軽く1時間かかりました)。
 思った通りファンの先端が背後のネジ山と接触していてそこから異音が発生していました。ファンが前後に数ミリ動くようになっていて、手前にあればネジ山と接触しないのですが、手前に引っ張ったあと電源を入れてみると後ろに下がってしまいネジ山と接触してしまいます。何故このような状態になってしまったのか原因は不明。

 ファンを取り外そうとしてみましたが、外れません。外し方も判りません。モーターに直結してるであろうため、ここで無理をして壊れてしまったら元も子もありません。ファンを外すのは断念。
 考えた末ファンの羽の先端を切断することにしました。
 4枚ある羽の先端をプラモデル用の小型のニッパーで5ミリほど切断。さらにネジ山に当たらなくなるまで何度か微調整します。羽の先端は奥のほうになるので苦労しました。切ったあとのバリをチャッカマンで焼き、電源を入れてみました。

 「ウィーン」

 静かだよ!すごい静かだよ!なんだか前より静かだよ!!


 後部パネルと仕切りを取り付け。備え付けの製氷皿が壊れていたのでそれ用の仕切りは付けないことに。
 なんてすっきりした冷凍室なんでしょう!(何も無い)
 
 冷凍室の扉を閉め電源を入れ、静かに冷却運転を始めた冷蔵庫の前で私はタバコに火を点けたのでした。
 
 この充足感は何物にも代え難い。









 (冷蔵室の腐った漬物とかも片付けろよ)
 
 


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