命の重さ

 インターネットを始めたばかりの頃、こわいもの見たさで探した画像がありました。それは「死体」の写真です。
 
 正直言って私はこういったモノがとても怖い。当事者・関係者の方には本当に申し訳ないと思うのですがやっぱり怖い。でも見たい。
 で、見ました。衝撃的でした。生首、真っ二つに切断された死体、指がもげた手、くり抜かれた性器、血だらけで口を半開きにして虚ろな目をした顔…全部見れないほど怖かった。
 
 この国では公の場で死体の写真を公開するという事が殆どありません。
 自爆テロで何十人死んだ、飛行機が落ちて何百人死んだ、大地震が起きて何千人死んだ、戦争が起こって・・・。そう言われてもバラバラになったり黒く焼け焦げた死体を実際見てない私たちにはその恐ろしさが実感できません。
 戦闘機から爆弾落としてたくさんの人を殺すのと、傘で顔を突いて一人殺すのとどっちが残酷なんだろう?死体を見たことない人と死体を見慣れてしまった人とどっちが命の重さを重く感じてるんだろう?
 
 お医者さん、看護士さん、救急救命士、レスキュー隊、検察医、それから事件や災害の時に死体を捜索する人たち。本当に大変な仕事だと思います。私には多分できない。ただただ頭が下がるばかりです。
 父が胃がんで胃の全摘手術をした時、私たち家族は手術室の前で交代でずっと待っていました。10時間以上かかった手術の後、銀色のお皿に父の胃袋を乗っけて飄々と歩いてきた私と対して歳の変わらなそうな外科医を見た時には、なんだかもう全く違う世界に住む人みたいに見えました。父の胃袋は全然怖くありませんでした。キレイなピンク色で肉屋に並んでてもおかしくないような代物でした。一ヶ所を除いては。
 
 肉屋で思い出したけど、豚や鶏が死んでたり魚が海や川に浮かんでるのは触りたくないほど気持ち悪いのに、スーパーでパック詰めされて並んでる肉や魚の死体は全然平気なんですよね。魚の腹かっさばいて内臓掻きだしたり平気でしてる。よく考えると不思議。
 
 命の重さっていうのは人それぞれ違うふうに思ってるんだろうし、人間も動物も虫も同じかっていったらやっぱり違うんだろうし、魚や虫は獲って殺してもいいけど犬や猫はダメだとかで済む問題でも無いし、赤ちゃん殺したら殺人だけど産まれる前ならいいのかとか、考え出すとキリが無いし答えも出ない。
 でも死体とか傷ついた肉体に対する恐怖感ていうのは持ってないより持ってた方がいいような気がします。人の身体を簡単に傷つけられるような人は持ってないのかなぁ?(あ、お医者さんとかは別ね。)
 
 

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